昭和の食文化は、私にとっては給食とともに貧しさが記憶に残る。
ひもじいというよりも、美味しいものが少なかった。
食材の種類が少なく、調理方法も単純で煮たり焼いたりが殆ど。油で揚げるとか炒めると美味しくなるものも油が高級で多くは叶わなかった。
その上調味料もまた貧しかった。
一方でバブル経済による華やかさ、贅沢もまた知る身である。
毎日新聞の人気連載「いただきます」は、昭和の貧しさ、幸せ、温かさとどこかで繋がっている平成食物語。
レストラン◯◯ではなく、◯◯食堂が主役のやさしい話がいっぱいの一冊。
佐々木悟郎の絵は、挿絵ではなく画集のような編集。絵と文の本です。
(毎日新聞社会部著、佐々木悟郎絵、ブックマン刊)