06. 5月 2013 · May 6, 2013* 展覧会の図録は書籍ではない。 はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

 「ヴァン・ゴッホ展」「オディロン・ルドン展」「デ・キリコ展」「シャガール展」「ドラクロワ展」・・・。これらは、展覧会会期中に限って会場で販売される展覧会図録である。展覧会カタログと呼ぶこともある。

 図録とは、図や写真を記録のことで、美術館や博物館の展覧会パンフレットのことである。パンフレットと呼ぶにはページ数が多く、どう見ても書籍のようである。

 なぜ書籍ではないのかが重要なところである。例えば「ゴッホ作品集」という書籍であれば、主に書店を通じて世界に販売され自由に購入することができる。そこにはゴッホの著作権料があり、本の代金に著作権料が含まれている。美術作品集の多くが高額になるのは、この著作権料が一つの要因である。

 ところが図録の場合は、書籍ではなく展覧会の記録という特殊な枠組みにあり、展覧会出品作のみ著作権料なしである。従って、書籍に比べて破格の売価とすることができる。美術愛好家にとっては、とても嬉しい図録の存在である。

 この図録は、展覧会終了とともに手に入らなくなるわけであるが、以前は古本屋で、現在はインターネットで手にいれることができる。しかも高額になっているものもある。図録は、展覧会会期中、開催会場のみ販売なので発行部数が少ないことも高額になる要因である。

 こういう状況もあって、最近では図録であっても著作権料を支払うべきであるという意見もある。

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